物語 赤いばらの橋


緑色の鬼の子は崖の向こうにある世界を知りたくて仕方がなかった。
向こう側からは音楽が聞こえたり、
激しい南風が赤いフェルトの帽子を運んできたりして、
鬼の子はその思いを日に日に強くしていった。
とうとう、鬼の子は橋を作って向こう側へ渡る決心をした。
知り合いの鬼の女の子に三つ編みの仕方を習うと、
つたを編んで橋を作り鬼の子は向こう側へわたることが出来た。

ばら園へ迷い込んだ鬼の子は、そこでばら園の持ち主である
魔女の娘の小枝と出会う。
小枝は鬼の子は嫌いだったが、
自分の帽子を持ってきてくれた鬼の子を母親の魔女から匿い、
逃げる手助けをしてくれた。
しかし、橋のところまで戻るとつたは魔女によってばらにされていた。
ばらの刺がささるため、裸足の鬼の子は渡ることができなかったが、
小枝は帽子とおそろいの赤いフェルトの靴を鬼の子に与えた。
鬼の子はその靴をはいて急いで橋を渡り、
魔女が橋を切り落とすすんでのところで元の側へ戻ることができた。