物語 オリオン写真館


おさるのオリオンは町の写真屋さんで3年も働いていた。
オリオンは写真屋になることを夢見ていたが
写真屋が一向に写真の撮り方を教えてくれないので、
思い切って独立することを申し出た。
写真屋はさるに写真は撮れないだろうと思いつつ、古い写真機を一台与えた。

念願の写真機を手に入れたオリオンは道すがら多くの客に呼び止められ
写真を撮ったが、フィルムを入れ忘れるという大失敗をしてしまい、
隣町へ逃げてしまう。

そこでは、人間のほかにきつねや七面鳥なども訪ねてくるようになり
少しずつ店は繁盛してきた。
そんなある晩、オリオンの元に一人の少女が訪ねてきて写真を撮っていったが、
現像してみるとそこにはこんぺいとうのような星々が写っているだけだった。
その星の綺麗さに魅せられたオリオンは又旅に出て高い高い山のいただきにたどりつき、
そこでずっと星の写真ばかりを撮ってくらすようになった。