物語 グラタンおばあさんと魔法のアヒル


グラタンの大好きなおばあさんと、グラタン皿の中の黄色いアヒルのお話。

ある日、アヒルは風邪をひいたおばあさんのために、
呪文を唱えてポケットからほうれん草を取り出す。
おばあさんはほうれん草でグラタンを作り、喜んで食べる。
ところが、その日からおばあさんは、アヒルの魔法にたよってばかり…
おばあさんのためにならないと思ったアヒルは、お皿から抜け出し外の世界へ。
ほうろうのやかんの中に入ったり、男の子の白いシャツの中に入ったり。
でも、自分の居場所が見つからない。
凍えそうに寒い日、風船売りのおじさんに会う。
背中に風船をつけてもらい、空を飛んだアヒルは、グラタンの匂いに誘われて
おばあさんの家に戻る。
(三浦公佐子様による文章です。)