物語 | 風のローラースケート |
山で茶店を拓いたばかりの茂平さんはベーコンを作ることを思い立つ。 レンガで簡単な炉を作ると、おかみさんが用意してくれた塩漬けの肉を 落ち葉の煙で根気良く燻していたが、 その匂いをかぎつけたいたちが2匹やってきた。 茂平さんは一切れずつあげる約束をしたが、ベーコンができあがると、 いたちの一匹がそれを奪って逃げてしまう。 あわてて追いかける茂平さんに、もう一匹のいたちはローラースケートを 貸してくれるが、逃げるいたちも同じローラースケートを履いており なかなか追いつけなかった。 ローラースケートのものすごい速さに茂平さんは一塵の風になってしまい、 山から遠くはなれた海岸でようやく止まった。 逃げたいたちも茂平さんと同じようになっており、 疲れた二人は海岸でベーコンをわけて食べるのだった。 |