物語 「だいこんばたけのだんまりうさぎ」


だんまりうさぎは星を見るのが好きだった。
そして星のおしゃべりや笑い声を聞くのが好きだった。
ある日思い立っただんまりうさぎはある植物の種を畑に植えた。
しかし、それが何の種なのかは誰にも教えなかった。
その植物は夜星たちの声を聞きながらすくすく成長していった。
その植物に花が咲き、さやがついてあずきだとわかると、
遊びにきたおしゃべりうさぎは甘くておいしいものをつくろうと勢い込む。
しかし、だんまりうさぎはあずきの種を収穫すると、
そのまま袋へ入れて閉じ合わせて枕をつくった。
その枕は、あずきたちが聞いていた星たちの声が聞こえてくるすてきな枕だった。