物語 遠い野ばらの村


雑貨屋のおばあさんはずっと一人暮らしで
空想のむすこや孫の話しをするのが好きだった。
ところがある日、空想の孫娘とそっくりの少女千枝がおばあさんの家へきて、
千枝のお父さんがつくった野ばらのせっけんをお店に届けて帰っていった。
おばあさんは空想の孫と千枝を重ね合わせて嬉しさにふけった。
そしてその6日後、翌日にくるであろう千枝の為におはぎをこしらえようと
していると、そこへ千枝と二人の弟がひょっこりやってきてしまった。
おばあさんはおはぎを作る下ごしらえができていなかったが、
千枝がおまじないをかけるとすぐに下ごしらえがすみ、
おはぎを3人の孫にふるまった。
3人はおはぎをたくさん食べると眠くなりおばあさんの家に泊まったが、
翌朝おばあさんが目を覚ますともういなくなっていて
布団には短い茶色い毛がたくさん残っていた。
おばあさんはそこで、3人がたぬきであることに気づいた。

その後、3人はぱったり来なくなりおばあさんは寂しい思いをしていたが、
ある日、あのせっけんでつくったしゃぼん玉の後を追いかけて野ばらの
たくさん生えた場所へきてしまった。
そこでおばあさんは例の3匹の子たぬきに会い、
またお店へ遊びに来るように伝えることが出来た。
おばあさんは野ばらの色のちょうちんをもらい、家へ帰った。